T・Residence+atelier

この敷地は、台形が鋭角に変形しかつ東西で70cm程の高低差があり以前は西側の道路のみからアプローチし、ここに住宅を転用した刺繍工房が二棟建っていた。

クライアントの要望は、ご主人の仕事である刺繍工房と奥さんの営むネイルサロンと住宅で変形敷地の有効利用が課題であった。計画にあたりこの変形敷地をいかに使いこなすかが大きな課題で、まず、広さを要するアトリエと住宅を日当りの良い北側に東西に長く配し、鋭角に延びた南西隅に平屋のネイルサロンを離れのように配置し二棟の間にそれぞれの駐車場スペースを設けることとした。アトリエとサロンのアプローチを西側道路からとし、敷地の高低差を建物で吸収することで南側道路より住宅の玄関と自家用車庫のアプローチとしている。この敷地の高低差を吸収する為に出来た2階の床レベルの段差600mmをリビングダイニングの変化に富んだ空間構成に役立てている。又、1階土間下全面に土壌蓄熱輻射床暖房(サーマスラブ)を採用し快適な温熱環境を提供している。外観は店舗併用住宅という事で比較的大きなボリュームとなる為、母屋棟は外壁屋根共、空に溶込みそうな淡いブルーグレーのガルバリュムで覆いサロン棟は奥さんの希望されたイメージ(ブーゲンビリアの似合う家)の白い漆喰の外壁としている。これからご夫婦の手でハーブ等のガーデニングとアトリエのカラフルな刺繍糸で色づいてゆくのを楽しみにしています。

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